借りる条件

会社からお金を借りる従業員貸付制度のメリットは?審査や使える借入理由を紹介

緊急的な出費が重なった時、会社からお金を借りられる制度があると知っている人はあまり多くいません。

社長や上司から個人的に借り入れるのではなく、会社の資金から融資してもらう制度が「従業員貸付制度」です。

従業員貸付制度を利用すれば、貸金業者から借り入れるより好条件でお金を借りられます。

この記事では、従業員貸付制度の詳細や申込方法、利用時の注意点をまとめました。

お金に困っていて資金調達をしたい人、従業員貸付制度の利用を検討している人はぜひ参考にしてください。

従業員貸付制度は会社からお金を借りられる福利厚生制度

従業員貸付制度とは、お金が不足して困っている従業員にお金を融資する福利厚生制度の一環です。

あくまで福利厚生の一部であるため法律で義務付けられておらず、制度を取り入れるかどうかは各社の判断に委ねられます。

従業員貸付制度で借りられるお金の資金源は会社の利益(資産)なので、従業員にお金を貸す余裕のある企業が取り入れる場合が多いでしょう。

一般的に大企業が採用しており、中小企業は資金的に余裕のある企業が積極的に採用し始めています。

従業員貸付制度の概要
申込条件 各社の基準による
(会社に所属している、正社員として勤続している、融資において正当な理由があるなど)
借入限度額 10~100万円程度
金利 1.0~4.0%前後
借入方法 銀行振込など各社による
返済方法 銀行引き落とし、給料からの天引き

従業員貸付制度は法律で細かく決められておらず、利用条件や貸付条件は勤務する会社によって大きく違います。

一般的には低金利でまとまったお金を借りられるため、どうしてもお金が不足して困っているに便利です。

従業員貸付制度は、会社側にも大きなメリットがあります。

従業員貸付制度を採用するメリットは以下の通りです。

  • 福利厚生が充実しているので従業員の満足度を向上できる
  • 福利厚生が充実している企業であると採用時にアピールできる
  • 貸金業者で借り入れたお金を返済できず、給料差し押さえになる従業員が発生するのを防げる

以上のように会社としても大きなメリットがある制度なので、最近は中小企業でも従業員貸付制度が広がっています。

従業員貸付制度と給料の前払いは違う

従業員貸付制度と似た制度で「給料の前払い」があります。

どちらも給料日以外のタイミングでまとまったお金を受け取れる制度ですが、大きな違いがあるので覚えておきましょう。

従業員貸付制度と給料の前払いには、以下のような違いがあります。

従業員貸付制度と前払いの違い
従業員貸付制度 給料の前払い
資金源 会社の利益 申込者の給料
お金の扱い 給料とは別に、会社の資金源から必要なお金を融資する 翌月以降に支払われる予定の給料を、給料日より前に支払う
利用した翌月以降の給料 返済分のみ天引きされ、あとはすべて受け取れる 前払いしてもらった分の金額を抜いて残った分のみ受け取れる
返済 毎月任意の金額で返済する もともと申込者の給料であるため、不要
利用できる雇用形態 正社員のみしか利用できない場合が多い どの雇用形態でも利用できる

大きな違いは受け取るお金の資金源です。

従業員貸付制度は給料とは別に会社の利益から融資してもらえますが、前払いはあくまで自分が翌月以降に受け取る予定だった給料を先に受け取る形式。

例えば給料の前払いは、4月15日に支払われる予定だった20万円の給料から、10万円のみ4月1日に受け取ります。

先に10万円受け取っているので、給料日である4月15日には残りの10万円しか支払われません。

それに対して従業員貸付制度は、給料日である4月15日に給料の20万円が支払われ、さらに追加で10万円融資してもらえる制度です。

給料の前払いは翌月以降の給料が減ってしまうので、生活費の資金繰りが難しくなりやすいデメリットもあります。

従業員貸付制度は給料を安定して受け取りつつ、必要なお金を融資してもらえるので生活を維持しやすいです。

利用できる条件も運用方法も全く違う制度なので、混同に注意してください。

従業員貸付制度を利用するメリットはたくさんある

まずは、従業員貸付制度のメリットを詳しくご紹介します。

従業員貸付制度を利用するメリットは非常に多いです。

借入条件だけでなく審査の面でも、カードローンを利用するより便利なポイントがあります。

より好条件での融資を希望する人は、従業員貸付制度の利用がおすすめです。

従業員貸付制度を利用するメリット

  • 低金利で借りられる
  • 総量規制対象外でまとまった金額を借りられる
  • 審査は社内で完結し、信用情報に影響しない
  • 返済は給料から天引きされるので手間がかからない

金利1.0~4.0%の低金利で借入可能

借入時は、借りた金額や期間に応じて利息の支払いを求められます。

支払う利息の金額は掛けられた金利によって算出され、金利が低ければ低いほど支払う利息も少なくなります。

従業員貸付制度の金利は会社によって違いますが、およそ1.0~4.0%前後で設定されている場合が多いです。

カードローンで借り入れした時と比較すると、10.0~15.0%以上金利に差が付きます。

他借入方法との金利比較
借入方法 金利
従業員貸付制度 1.0~4.0%前後
消費者金融カードローン 3.0~18.0%前後
銀行カードローン 1.5~14.0%前後

例えば、50万円を3ヶ月間借り入れたときに支払う利息をそれぞれ比較してみましょう。

利息比較

  • 金利18.0%の場合=約22,000円
  • 金利14.0%の場合=約17,000円
  • 金利4.0%の場合=約5,000円

実際の金額で比べると、12,000円~17,000円ほどの差が出ます。

利息だけで1万円以上差が出るなら、より低金利の従業員貸付制度を利用した方が負担も少なく済むでしょう。

カードローンでは、お金を貸した際に発生する利息で利益を得ています。

しかし、従業員貸付制度は利益目的ではなく、従業員のサポートが主な目的です。

お金を貸して利益を得るための制度ではないので、他の借入方法より低金利で利用できます。

従業員貸付制度以外で、金利が4.0%以下の借入方法はあまり多くありません。

金利が低い貸付けは担保が必要だったり、貸付条件が厳しい場合も多いです。

働いているだけで低金利の貸付けを利用できる従業員貸付制度は、非常に便利な制度だと言えます。

借入限度額は100万円前後で総量規制に含まれない

従業員貸付制度で1度に借りられる借入限度額は、およそ10~100万円前後が一般的です。

通常、カードローンでは申込者の返済能力を元に融資金額が決定されます。

しかし従業員貸付制度で重視されるのは、勤続年数と勤務態度です。

勤続年数が長く、勤務態度や社内評価がいい人ほど借入限度額が高くなります。

従業員に貸し付ける金額は会社ごとに任意で決められており、限度額の決め方も会社によって様々です。

借入限度額の規定一例
勤続年数 借入限度額
1年未満 ~10万円
5年未満 ~50万円
10年未満 ~80万円
10年以上 ~100万円

上記のように規定で定められている場合もあるので、従業員貸付制度の社内規約をよく確認しておきましょう。

一般社員と役員で、借りられる金額が違う場合もあります。

また、従業員貸付制度で借りるお金は総量規制の対象外です。

総量規制とは、お金の借り過ぎを防ぐため、借りられる金額を年収の3分の1までと制限する法律。

例えば100万円借りるためには、最低でも300万円以上の年収が必要です。

貸金業法で定められており、基本的に総量規制を超える借り入れはできません。

しかし従業員貸付制度は会社内で融資する福利厚生制度であり、貸金業者から借りるわけではありません。

貸金業法が適用されないので、総量規制以上の借り入れも望めます。

年収が高くなくてもある程度まとまったお金を借りられるのは非常に大きなメリットです。

審査は社内で行われて信用情報に関与しない

カードローンでは、借り入れのために必ず審査が行われます。

借りたお金を返す能力があるか事前に確認するため、貸金業法で定められているからです。

通常のカードローンでは、CICJICCといった信用情報機関に照会を行って審査します。

一方従業員貸付制度の審査は会社内ですべて完結します。

審査を担当するのは会社の総務部や経理担当で、最終的に貸付の可否を決めるのは社長である場合が多いです。

従業員貸付制度の審査では社内の勤務態度を重視するため、信用情報は加味しません。

信用情報機関の情報開示も行われないのが普通です。

現在他社借り入れがあっても、信用情報を通して会社に借り入れがバレる可能性はほぼないので安心して利用できるでしょう。

同様に、従業員貸付制度での借り入れは信用情報として登録されないので、信用情報に傷が付くのを防げます。

信用情報が原因でローン会社から借りられなくても、従業員貸付制度なら借り入れできる人も少なくありません。

返済は給料から天引きされるので手間がない

従業員貸付制度で借りたお金は、毎月一定額返済しなければなりません。

返済方法も会社ごとに違いますが、給料から天引きする形で返済するのが一般的です。

例えば毎月の返済額が2万円で、毎月の給料が20万円の場合、返済額が天引きされた18万円を給料として受け取ります。

借りたお金の返済を延滞すると会社との信用にも関わるので、延滞せず返すのが基本です。

給料から天引きで返済すれば、毎月の返済を忘れず、滞りなく行えます。

返済時わざわざ銀行に行ったり、返済を忘れて慌てて連絡する必要もないので、手間がかかりません。

働いて給料を受け取っている限り返済できるので、返済分のお金を使ってしまうトラブルも避けられるでしょう。

従業員貸付制度ならではのデメリットもあるので注意

メリットの多い従業員貸付制度ですが、必ずしもいいところばかりではありません。

細かなポイントですがデメリットもあるので、利用前に必ず確認しておきましょう。

従業員貸付制度を利用するデメリット

  • 融資までに時間がかかる
  • 従業員貸付制度を導入していない会社では利用できない
  • 正社員しか利用できない場合がある

融資まで2~3週間かかるため急いでいる人にはおすすめできない

従業員貸付制度は申し込みから実際にお金を受け取るまで、最低でも2~3週間かかります。

上司や総務、経理部から社長に至るまで様々な部署を通して承認してもらわなければならず、審査も含めると数週間必要です。

他の業務と並行して審査や承認を行わなければならないため、担当者が他の仕事を多く抱えていると承認が遅くなってしまいます。

従業員貸付制度での借り入れは早くても2週間、長いと1ヶ月以上かかるので、急いでいる人には向いていません。

特に部署が多い大企業や繁忙期は、1ヶ月以上かかると見越して申し込みましょう。

どうしても数日以内に借りたいなら、消費者金融や銀行カードローンを利用してください。

従業員貸付制度を導入していない会社では利用できない

従業員貸付制度は、すべての人が利用できるわけではありません。

記事の最初でも説明した通り、従業員貸付制度は福利厚生の一環です。

福利厚生制度は会社によって定められており、法律で義務付けられている制度ではありません。

例えば福利厚生に「生理休暇」もありますが、生理休暇を採用している会社と、していない会社があります。

上記と同じように、従業員貸付制度を採用していない会社では制度を利用しての借り入れはできません。

従業員貸付制度の有無は、従業員が確認できる社内規定をチェックするか、上司や担当部署に直接聞きましょう。

緊急性が認められる場合、雇用側は給料の前払いに応じなければならない法律があります。

使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。

引用:労働基準法第二十五条

従業員貸付制度は利用できなくても、前払いには対応してもらえる可能性があるので、緊急的にお金が必要な人は前払いを打診してください。

給料の前払いも必ず対応してもらえるわけではありませんが、申請は誰でも可能です。

制度を利用できるのは正社員に限られる

従業員貸付制度は、正社員しか利用できない場合が多いので注意しましょう。

先程も説明した通り、従業員貸付制度で借りたお金は給料から天引きする形で返済します。

融資時の審査でも返済能力より社内での評価を重視しているため、信用情報の照会がありません。

あくまでも「会社内で働いて、収入がある」という前提でお金を貸している制度です。

厚生労働省の雇用動向調査によると、一般労働者の離職率が11.4%であるのに対し、非正規雇用の離職率は26.0%で高い傾向です。

融資後に借入を踏み倒して退職されては困るので、離職率が高い非正規雇用の人は利用できません。

非正規雇用で会社からお金を借りたい場合は、給料の前払いを利用するか、正社員登用を待つしかありません。

今すぐどうしてもお金が必要なら、アルバイトや派遣社員でも借りられるカードローンを利用しましょう。

従業員貸付制度の審査基準と利用条件

記事の最初でも紹介した通り、従業員貸付制度は会社内で完結する融資制度です。

そのため、貸付を行う際の審査基準も一般的なカードローンとは少し違います。

会社からお金を借りるためにも、審査基準や利用条件はしっかり確認しておきましょう。

従業員貸付制度の審査は社内評価が重視される

従業員貸付制度の審査では、日頃の勤務態度や仕事の評価が重視される傾向です。

カードローンとは審査基準が違うため注意しましょう。

審査基準の比較
従業員貸付制度 カードローン
・勤務態度
・仕事の出来栄えや取り組みの姿勢
・会社内の評価
・上司や同僚からの評価
・返済能力の有無(安定収入)
・他社借り入れの有無
・信用情報

極端に言ってしまえば、信用情報に傷が付いていても社内での評価が高ければ借りられるのが従業員貸付制度です。

欠勤や遅刻の頻度、仕事のスピードや対応など、カードローンの審査では考慮されない部分が重視されます。

逆に収入が安定していて返済能力があっても、社内での評価が悪いと借りられない可能性があります。

従業員貸付制度を利用したい人は、日頃の勤務態度を振り返っておきましょう。

また、審査時に上司や同僚に評価を確認される場合があります。

周囲との人間関係も重要なので、適切な距離感で関わって信頼を獲得するのが大切です。

融資の理由で緊急性が認められる場合しか借りられない

従業員貸付制度では、借り入れたお金を何に使うか申告しなければなりません。

借入金の使い道は原則、緊急性が認められる内容のみとする会社がほとんどです。

借入金の使い道として認められる内容一例

  • 入院、通院費
  • 冠婚葬祭に関する費用
  • 出産に関する費用
  • 自然災害で被害を受けた場合の修繕費、生活費
  • 空き巣や犯罪に巻き込まれた場合の対応費、生活費

病気や怪我で医療費がかさむ人や、冠婚葬祭が重なり必要な出費をまかなえない人は利用できます。

災害や犯罪に巻き込まれた場合も利用できるので、被害を受けた人は積極的に相談してみましょう。

車や住宅の購入費は、大切な買い物ではあるものの緊急性が認められないとして貸付対象から外している会社もあります。

ローンを組む際の頭金としては認めて貰える場合もあるので、相談しておくといいでしょう。

旅行やギャンブルのための費用は、緊急性がないとして借り入れを認めてもらえません。

緊急性がない人は、カードローンを利用してください。

各社で対応に差があるのは生活費の借り入れです。

お金を借りなければならないほど生活費が不足しているとして、生活費の借り入れも認めている会社があります。

しかし、生活費は給料でまかなえるとして貸付対象にしていない会社もあるので注意が必要です。

生活費を借りたい人は、自分が働いている会社の従業員貸付制度で生活費が借りられるか、事前に確認しておきましょう。

冠婚葬祭や医療費が理由で生活費が足りなくなった場合、生活費としてではなく前述の理由で、緊急性を認めて貸してくれる場合もあります。

申込時に使用用途を偽ると詐欺罪になる可能性がある

低金利でお金を借りられるからと言って、申込時に嘘をついて借り入れるのはやめましょう。

従業員貸付制度は、会社と従業員の信頼関係の上で成り立っている制度です。

嘘をついて利用したのがバレると借り入れたお金を一括で返済しなければならなくなったり、会社での評価が著しく下がったりします。

また、悪質な嘘を付くと詐欺罪で訴えられてしまう可能性もあるので注意してください。

従業員貸付制度を利用する時だけでなくお金を借りる際は、使用用途を偽らず正直に記入しましょう。

勤続年数が長い正社員は好条件で借りやすい

先程も紹介した通り、従業員貸付制度で借りられる金額は社内の審査や規定によって決められます。

一般的に、勤続年数が長く社内評価も高い人はより多くのお金を借りられます。

退職する確率が低く、社内での信用度が高いため、高額貸付をしても問題ないと判断されるからです。

従業員貸付制度は正社員であれば誰でも申請可能ですが、信用度の面から最低でも1年以上勤務しておくのが望ましいでしょう。

1年以上勤務していれば積極的に貸し付けてもらえるだけでなく、借入限度額が高くなる可能性もあります。

従業員貸付制度を利用するときの流れを紹介

従業員貸付制度の特徴や利用条件が分かったところで、次は具体的に申込方法をご紹介します。

とても便利な制度ですが、入社時に利用方法を詳しく教えてくれる会社はほとんどありません。

申し込む場所や必要な書類が分からない人は事前にチェックしておきましょう。

従業員貸付制度の申し込みは上司への相談から始める

従業員貸付制度は社内で申し込む制度なので、カードローンのようにWebからの申し込みはできません。

出社して担当者に連絡を取らなければならないので、申込方法は少し複雑です。

しかしフローさえ分かっていれば難しくはないので、申込の手順を覚えておきましょう。

1,直属の上司に相談する

従業員貸付制度は、総務や経理部で申し込みを受け付けています。

担当者が分からない場合も多いので、まずは直属の上司に相談しましょう。

従業員貸付制度の有無や規定を知りたい人も、上司に確認を取るのが早いです。

従業員貸付制度の利用を希望していると上司に知られてしまうのがネック。

上司に借り入れを知られたくない、信頼できる上司でない場合は、直接総務または経理部に行くのも手です。

ただし、従業員貸付制度の利用に上司の許可が必要な場合もあります。

上司を通す必要があるか、担当部署で確認しておきましょう。

2,担当部署で申込用紙を受け取り提出する

従業員貸付制度に申し込む許可が取れたら、担当部署で申込用紙を受け取ってください。

記入する内容は住所や名前といった必要事項と、借り入れの目的です。

申込用紙を受け取ってタイミングで、一緒に提出しなければならない書類も教えられます。

申込用紙の記入が完了したら、必要書類と合わせて担当部署に提出しましょう。

3,審査を受ける

必要書類を提出したら、社内審査が始まります。

審査は担当者が進めてくれるため、申込者は審査結果が届くのを待つだけでOKです。

審査期間中、確認のため担当者に呼び出されたら快く応じましょう。

会社の規模や繁忙状況にもよりますが、審査は2~3週間ほどかかります。

審査期間中の勤務態度も加味される可能性があるので、勤務態度には注意を払ってください。

4,審査結果通知

審査が終了したら、担当部署から連絡が届きます。

書面やメール、電話で連絡が来るものの、連絡の方法は会社によって様々です。

申込時に審査結果の連絡方法を確認しておくといいでしょう。

5,契約書を提出し、融資を受ける

審査に通過したら、契約のために書類提出が必要です。

金銭消費貸借契約書または、借用書の提出が求められます。

書類の作成は自分で行わなければならない場合もあるので、作り方がわからない人は経理部で確認してください。

従業員貸付制度の申込時に必要な書類

従業員貸付制度を利用するためには、いくつかの書類を提出しなければなりません。

カードローンのように本人確認書類だけでは融資してもらえないので、書類は事前に用意しておきましょう。

必要書類は会社によって違いますが、主な内容は以下のとおりです。

申込時に必要なもの

  • 申込用紙
  • 借入金の使用にあたる見積書、または領収書
  • 印鑑

特に注意したいのが、見積書や領収書です。

従業員貸付制度で借りたお金は使い道が決まっているとご紹介しました。

本当に必要な支払い以外に使わないよう、借入金を使う際の見積書や領収書の提出を求められる場合があります。

借入できる金額の参考にもされるので、見積書はできる限り正確に算出してください。

すでに支払い済みなら領収書が必要なので、お金を借りると決めた段階ですべての領収書を補完しておくのが無難です。

先程も説明した通り、審査に通ったら契約書の提出も必要です。

契約時に必要なもの

  • 金銭消費貸借契約書
  • 借用書

上記のいずれか1点

金銭消費貸借契約書とは、会社と従業員の間で金銭のやり取りがあったことを記録しておく書類です。

会社版の借用書で、借りた金額や返済についての契約が記載されています。

金銭消費貸借契約書または借用書のどちらを用意するかは会社によって違うので、指示に従って作成してください。

金銭消費貸借契約書や借用書は印紙税を支払わなければなりません。

収入印紙を貼って提出するので、収入印紙の用意も忘れないでください。

審査に通過したら任意の方法で融資を受ける

審査に通過したら、実際に融資を受けます。

融資方法は給料が振り込まれている口座に振り込みで行われる場合が多いです。

融資実行日や融資の方法は、審査に通ったら説明を受けるので確認しておきましょう。

他の振り込み業務と合わせて行われるため、「この日に振り込んで欲しい」といった指定は難しいと思ってください。

借りたお金の返済方法や返済日を確認しておく

借りたお金の返済方法は基本的に給料からの天引きですが、中には天引き以外の方法で返済しなければならない場合があります。

返済方法も会社によって違うので、必ず事前に確認してください。

特に、返済方法が天引き以外の場合、返済日の確認は重要です。

毎月決められた日に返済しなければならないので、返済日を忘れないでおきましょう。

返済方法を選べるなら、給料からの天引きにしておくのがおすすめです。

返済期限は最長で5年程度が目安

借りたお金の返済期限は、会社ごとに規定を定めています。

およそ、5年以内に返済するのが一般的です。

中には借入から10ヶ月以内に返済しなければならない会社もあり、借りすぎると毎月の返済が大きな負担となります。

借入金額を決める際は、会社が定めた返済期限を確認し、返済しきれる金額に抑えましょう。

例えば100万円を借りて10ヶ月以内に返済しなければならない場合、毎月の返済は10万円にものぼります。

生活が立ち行かなくなる可能性もあるので、無理のない範囲で借りるのが重要です。

特に、給料から天引きする形で返済する人は返済金額にも注意が必要です。

民法において、「給料の天引きは手取りの4分の1まで」と決められています。

つまり、給料からの天引きで返済する場合、手取り金額の4分の1までしか返済に充てられません。

手取りが20万円だった場合、そのうち返済に充てられるのは最大でも5万円までです。

先ほど紹介した例のように、100万円を10ヶ月で返済しなければならない場合、給料の天引き分だけでは返済しきれません。

返済が大きな負担になるので、自分の手取り金額や返済期限も合わせて慎重に利用しましょう。

従業員貸付制度を利用する人が知っておくべきポイント

ここからは、従業員貸付制度を利用する際に知っておくといいポイントをご紹介します。

なかなか利用する機会が少ない制度なので、細かいポイントを知らない人も多いです。

申込前に知っておくと便利な情報ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

会社によっては連帯保証人を用意しなければならない

従業員貸付制度を利用する際、連帯保証人を立てなければならない場合があります。

保証人なしの借り入れは踏み倒されやすく、貸したお金を回収できない可能性が高いからです。

会社との信頼関係のある正社員が申し込む場合でも、貸し倒れ防止のため保証人を求められる場合があります。

連帯保証人になってくれる親族や友人がいなければ借り入れできないので、連帯保証人の有無は必ず確認しておきましょう。

また、会社から求められなくても、連帯保証人を用意すれば借り入れできる確率が上がる可能性もあります。

入社してすぐの人や、会社での評価が低い人は「連帯保証人を立てる」と相談してみましょう。

返済中に退職する場合は一括返済が求められる

記事の中でも説明しましたが、従業員貸付制度はあくまでも「会社で働いていること」を前提にお金を貸し付けています。

返済途中で退職する場合、借りていたお金は一括返済しなければなりません。

多額のお金を借りていると返済しきれず、大きな負担となってしまいます。

近々退職予定がある人は、退職までに返しきれる金額のみを借りましょう。

または、返済が終了するまで退職を先延ばしにするのが無難です。

社長や役員が借りる場合も正当な手続きが必要

従業員貸付制度は、一般社員だけでなく社長や役員も利用できます。

社長や役員も申込用紙の記入から必要書類の提出まで、すべて手続きを行わなければなりません。

特に社長は貸付の最終承認を行う立場なので、手続きを飛ばしてしまいがち。

自分の会社であっても、会社の資金と個人の資金は全くの別物です。

会社のお金がどのように動いたか記録しておかなければならないので、必ず正規の手続きを踏んで借り入れてください。

無利息での借入は税金がかかる可能性もあるので注意

先程記事内で紹介した通り、従業員貸付制度は利益を目的とした制度ではありません。

そのため低金利で貸し付けてくれますが、無利息での借入は注意が必要です。

制度ができたばかりの中小企業では、従業員の負担を少しでも減らすため無利息で貸し付けてくれる場合もあるでしょう。

しかし、会社から無利息でお金を借りると賞与であるとみなされ、所得税を支払わなければならなくなる可能性があります。

まとまった金額を借りていると、利息を支払うより所得税を支払う方が遥かに高くついてしまいます。

手続きも面倒になってしまうため、従業員貸付制度を利用する場合は利息を付けて借り入れましょう。

無利息での借入を提案されたら、1.0%でもいいので利息をつけてもらうのが無難です。

返済を遅延・延滞すると社内評価に影響が出る

借りたお金の返済を延滞すると、信用情報に傷が付いてしまいます。

従業員貸付制度では信用情報に関与しない代わりに、社内での評価が下がる可能性もあるので注意しましょう。

昇進しにくくなったり、延滞していると噂が流れると人間関係に悪影響を与える場合も考えられます。

会社での評価が下がると仕事をしにくくなり、日常生活に影響が出る人も少なくないでしょう。

会社での評価が下がるとマイナスな影響しか起きないので、必ず期日までの返済を心がけてください。

周囲の同僚に借入がバレる可能性もある

個人情報保護の観点から、従業員貸付制度を利用した旨はどこにも告知されません。

しかし、借り入れをマイナスに捉えている人は少なくないでしょう。

告知はされなくても、人づての噂で借入したと話が拡がってしまう可能性は否めません。

申し込みの段階で上司に話さなければならない場合も多いので、「誰にも離さないで欲しい」と伝えていても隠し通せるとは限らないでしょう。

借入を誰にも知られたくないなら、従業員貸付制度ではなくカードローンを利用した方がバレにくいです。

最近のカードローンはWeb完結型で郵送物もなく、電話での在籍確認を避けられる場合があります。

ただ金利は高く付くので、利息の負担かバレにくさ、どちらを選ぶかはよく考えて選択してください。

すでに借り入れがあっても会社から借りられるの?

現在、すでに他社借入があり、追加で従業員貸付制度を利用したい人もいるでしょう。

結論から述べると、他社借入がある人も従業員貸付制度でお金を借りられます。

先程も紹介した通り、従業員貸付制度は信用情報を照会しません。

他に借りているか分からない状態で審査を行うので、他社借入の有無は審査基準に関係ありません。

しかし、従業員貸付制度を使って追加で借りると、毎月返済しなければならない金額も増えます。

返済するお金が生活を圧迫するとさらに借りなければならなくなり、悪循環に陥るでしょう。

従業員貸付制度を利用するなら、返済能力は自分で判断しなければなりません。

カードローンより借りやすいと思うかもしれませんが、一歩間違えると債務整理や自己破産につながってしまいます。

申し込み前に自分の返済能力を越えていないか、毎月返済できる範囲内の借り入れかを慎重に判断してください。